東京で高校受験を選ぶメリット[中学受験と比較]

東京在住なら中学受験は不要。高校受験を検討しないのはもったいない!

「東京は中学受験が良い?高校受験で大丈夫?」

東京の高校受験は、他県にはないメリットがたくさんあります高校受験の良さを知らずに中学受験を選択するのは本当にもったいない!このページを読んでから、もう一度「中学受験か、高校受験か」を考えてみてください。きっと冷静になってどちらが良いのかを選択できるようになりますよ~。

大学附属校が中学受験よりも入りやすい

高校受験を選択して「中高一貫校」ではなく「高大一貫校」を目指すのはどうでしょうか? 早稲田大学、慶應義塾大学、明治大学、中央大学、法政大学など、有名私立大学の附属校は、中学受験よりも高校受験の方が圧倒的に入学しやすいです。

入試難度が高校受験のほうが低いことで知られています。例えば早慶附属校は、駿台模試偏差値で男子55、女子60が「1校引っかかる」目安です。比較は難しいのですが、中学受験よりも5ポイント程度偏差値が低いイメージです。中学受験でMARCH附属を狙える子は、高校受験では早慶附属が狙えます。

MARCH附属も学校ごとに難度差が大きいですが、高校受験のほうが入りやすいことに変わりはありません。法政国際、中央大高校、中央大杉並高校、慶應志木高校、早稲田本庄高校のように、高校からしか入学できない附属校が多いことも入りやすい要因です。

特に男子は中学受験と比べると間口が広くかなり優位です例えば、男子校の早稲田大学高等学院は、2023年の中学受験の合格総数131人、対して高校受験は自己推薦入試を含めて619人も合格を出します。

入試勉強の負担も違います。中学受験は理・社を含む4教科ですが、高校受験はそれよりも軽量な3教科入試です。ゴールデンエイジの高学年が受験勉強一色に染まる中学受験と比べて、短期決戦の高校受験は、多くの生徒たちが部活動やクラブチームなどの習い事と最後まで両立しています

15歳になると、将来の展望が広がるとともに、自分の学力の限界も見えてくるでしょう。12歳では選択しづらい大学附属校も、15歳になれば現実的な選択肢として捉えられるようになります。これからの人生の見通しが立ち始めた15歳の時点で「附属校か、進学校か」を考え選択できることは高校受験のメリットです。

「絶対東大!」なら中学受験ルートでもイイのですが、早稲田大や慶應大、明治大も魅力的に感じるという一般家庭は、高校受験で附属校を目指す戦略もありだと思いませんか?

学区の縛りなく都立高校170校から選択できる

東京の高校受験の最大のメリットは良質な進学系都立高校の存在です。

 

保護者世代が高校受験を経験した2000年代以前は、住んでいる地域の学区内でしか原則都立高校を選択できませんでした。選べた高校はせいぜい10校程度で、偏差値を元にすると1~2校に絞られました。 現在は学区の縛りなく、170校以上の都立高校の中から自由に選択できます。これだけたくさんの高校の選択肢があるのは全国で東京都だけです。

都立高校の個性はすごい!(ほんの一部を抜粋)

✅青春がいっぱいできるエネルギッシュな高校

✅マジメな子が集まる落ち着いた雰囲気の高校

✅大学で扱う研究も可能な理系に特化した高校

✅海外大に毎年70人以上合格する語学系高校

✅東大合格者数が全国公立日本一の高校

✅青春を運動会に捧げる高校

✅ドイツ語を3年間履修してドイツ語受験ができる高校

✅全ての教科が習熟度別の少人数授業で面倒見の良い高校

✅探究活動に力を入れる高校

✅野球部で甲子園出場を目指せる高校

✅人工芝のサッカーグラウンドを持つ高校

数え切れないほどの個性と魅力にあふれた都立高校があります。その魅力はこのページでは語りつくせません…!中学受験をしなくても、170校の都立高校の中から子供の個性に合った学校が必ず見つかります。

学費は月額9,900円!東京は経済的な高校受験コースががあまりにも恵まれているので、私立中学受験からの中・高6年間通塾という重課金コースを取る必要はありません。

進学系都立高校の先生の質がとても高い

進学校系の東京都立高校の質は、47都道府県で飛び抜けて高いです。公立高校の先生なんてどの県も似たようなものだと思っていませんか…?複数の都道府県をよく知っている私だからはっきり申し上げますが、進学校系都立高校の先生の質の高さは別格です。しかも、保護者世代の頃よりもはるかに高いです。

2000年代以降の制度改革以降、東京都は47都道府県でただ一つ、進学校の先生を公募制で集めています。単なるローテーション人事ではなくて「この高校で教えたい!」「進学校で高度な学習指導をしたい!」という志のある先生に手を挙げてもらって、選抜して合格した先生を配置します。

 都立高校の先生の数は日本で一番多いです。中・高を一括採用で、両方を指導できる約4万人の先生の中から、指導力の特に高い先生を公募制で集めて配置しています。 優秀な先生は異動先もずーっと進学校です。ある先生の異動履歴をたどると

新宿高 → 西高 → 青山高

ずっと進学校を回っています。他県だと、去年まで工業高校で教えていた先生がいきなり進学校の先生に立ったりして苦労します。 東京は長く進学校畑で活躍してきたハイレベルな教科指導のスペシャリストが集結します。 こんな適材適所の進学校人事をしているのは47都道府県で東京だけ。 進学系都立高校は、教科指導のスペシャリストの先生たちでオールスター体制を組んでいます。

ある進学指導重点校の生徒に「どんな先生がいるの?」と聞いてみました。教科書を書いている先生が5人も6人もいて、EテレのNHK高校講座に何人もの先生が出演していて、夜は大学で講義を担当する先生も少なくないとか。単なる受験知識だけでなく、学問の本質を教えてくれる先生が多いそうです。東大卒、大学院を出て博士号を取得している先生も普通にいます。

NHK高校講座の出演者を調べてみました。赤枠が進学系都立高校の先生です。大学教授にまじってこれだけ多くの進学系都立の先生が出演しています。東大教授にはさまれて立川高校の先生が堂々と名を連ねます。その先生のお名前を調べてみたら「みるみる論述力がつく日本史」などの大学受験向けの著書を書いている凄腕先生でした。

先生のレベルの高さは、47都道府県の進学系公立高校の中では突き抜けて日本一です。4万人から選抜して集めれば当然です。 そして私立高校もここまでのレベルをそろえられる学校はほとんどないですよ(麻布とか、早稲田、慶應のレベルぐらいですね)

東京の高校受験コースは、これだけの恵まれた環境を、月額9,900円という信じられない安さで享受できます。東京都民だけの特権です。中学受験せずに、都立高校ルートで浮いた教育費を海外留学費用に回す戦略的な家庭も見てきました。

私が在学していた頃の都立高校とはだいぶ違うのね…。尊敬できる先生と出会える環境がありそうね。

国立大附属高校が有力な選択肢になる

高校受験では国立附属校が受験校として検討しやすく都立とのダブル受験もできます。

中学受験は都立一貫校と国立附属の入試日程が同じで併願できなかったから嬉しいわ!

中学受験の国立附属は少々クセがあり選びにくい存在です。

お茶の水女子大附属中は男子と女子の偏差値に大きな差があります(女子60・男子45)男子には附属高校がないためです。入試では純粋な学力検査が廃止されました。

東京学芸大附属(世田谷中・竹早中・小金井中)は附属高校へ約4割しか上がれません。

筑波大附属中は高校と分離独立しているので、中高一貫型のカリキュラムの恩恵を受けることができませんし、約8割しか附属高校に上がれません。

高校受験では、中→高の接続面での不安がなくなり、進学系都立と同じ土俵で志望校候補に挙がります。

最近の国立附属は以前よりも入学しやすくなりました。特に東京学芸大学附属高校は、進学系都立高校や神奈川県立高校志望層の併願として人気があります。定員は120人ですが、繰上げ合格を含めると定員の3倍程度の合格が出ます。

国立附属は、進学系都立のような学習指導体制の面倒見はありませんが、探究に重きをおいた大学進学後の学びにつながる授業は昔から評判です。

高校受験では、理系特化の東京工業大学附属科学技術高校や、芸術特化の東京芸術大学附属高校、国立大学編入も可能な国立高専など、中学受験にはなかった国立附属校もあります。

例えば、理系が得意な区部の中学生は、都立科学技術高校と東京工業大学附属科学技術高校をダブルで受験するプランがあります。2校とも学費が安く、SSH指定で私立中・高をはるかに上回る高度な理科設備を備えています。

東京の高校受験に重課金コースは不要です。良質な進学系都立高校と伝統ある国立附属校を併願して、学費のほぼ掛からない理想的な教育コースを目指すのはいかがでしょうか。

部活動や生徒会活動等は都立入試の合否と無関係

高校受験は、部活動の実績も入試の合否にかかわるし、生徒会活動もしていたほうが有利って聞くけど、内向的なうちの子は大丈夫かしら…?

東京都立高校の一般入試は、部活動の実績、生徒会活動やボランティアなどの課外活動が合否と一切関係のないシステムになっています。

教え子でも、帰宅部で、生徒会活動などを一切かかわらない内向的な性格な子でも普通に進学指導重点校へと合格を勝ち取っていますから安心してください。

このような言説が広まるのは、都道府県によっては、これらの諸活動が入試で加点されるからです。各都道府県ごとの公立高校の入試システムはビックリするくらいバラバラです。県境をまたげば、入試制度や高校入試の様相は一変します。

ニュース記事、雑誌、書籍、SNSで目にする「高校受験は部活動に入らないと…」といったたぐいのお話は、都道府県ごとにまったく違う入試システムを一緒くたにして語ったもので、実際にはどこの県の話なのかを明確にしないと話ができません。

帰宅部で趣味やクラブチームに打ち込んでも問題ないですし、その他諸活動も自由意志です。

例外として、東京都立高校の中にはスポーツ推薦(正式名称文化・スポーツ等特別推薦)を実施している学校があります。甲子園出場で有名な城東高校にや野球部推薦枠が、サッカーの強豪の東久留米総合高校にはサッカー部推薦枠があります。このような形態の入試では部活動実績が問われることがあります。

都立高校は内申点よりも「筆記試験」重視

都立高校入試の内申比率は昔と比べて下がりより実力重視に変わりました。上位校は難度の高い独自の入試問題を課すようになり、中学受験と同様に「筆記試験重視」が鮮明です。

現行の都立高校の一般入試の内申比率は3割。半分を占めていた時代からはだいぶ低く抑えられています。そして、上位校は自校作成問題といって、各校がオリジナルの入試問題を課します。受験者平均が6割になる難度の高い問題です。

昔の高校入試では、下位校からトップ校までが同じ入試問題を使用していたため、上位校の筆記試験は平均点が9割近くになり、相対的に内申の重みが増していました。

現在の都立高校入試では、上位校は自校作成問題を課すために、筆記試験の点数差がひらきます。例えば、2022年度の日比谷高校の数学は、20点台~90点台まで得点分布のレンジが広がりました。内申点よりも筆記試験の点数重視に入試が変わっています。

また他県では中学1年や2年の内申点も入試選抜で使用されることが多いようです。東京都は中学3年生のものしか使わないので、後伸びタイプの子にもやさしい制度になっています。

コツコツ努力型の子に合った推薦入試の形態がある

東京の高校受験には、筆記試験の点数を中心に合否が決まる入試のほかに、中学校の定期テストをコツコツ頑張って、学校成績で合否が決まる推薦入試という形態があります。

範囲の広い入試形式の問題では点数を取るのが苦手で、範囲の狭い小テストや定期テストで点数を取ることが得意なコツコツ努力型の子には、推薦入試が最適です。

推薦入試では、英検や漢検といった検定も加点されます。多くの私立上位高では準2級以上で加点対象となるようです。コツコツ努力型の子は、検定試験と定期テストを頑張って、都立高校の推薦入試や、有名私立高校の推薦入試を目指してはどうでしょうか。

例えば法政大学の附属校である法政国際高校や法政第二高校には、書類選考という学校成績で合否を決める入試があります。試験一発勝負には弱くても、中学校の定期テストでは真面目に努力して成績を取って、書類選考で法政系の附属校に進学するということができます。

推薦入試は早慶附属でも実施しています。早稲田大学高等学院の自己推薦入試は100人と枠が大きく、学力試験はなく面接勝負です。早慶附属を目指せる受験学力がなくても、面接が得意で学校成績が良好な生徒なら十分に勝負することができます。

都立高校の推薦入試も、学校成績に作文や小論文、面接を課して合否を判定します。

ペーパーテスト一発勝負には向いている子と向いていない子がいます。

成績優秀であっても、ペーパーテスト一発勝負が苦手な子はたくさんいます。中学受験では日の目を浴びないタイプの子でも、高校受験では推薦入試や書類選考を上手に利用して大学附属高校や進学系都立高校を目指せます。

東京の高校入試は多様なタイプの子に合った入試が用意されています。一発勝負がストレスになってしまう子、実力型のテストは不向きだけれども、狭い範囲をキッチリ仕上げる勉強が得意な子には高校受験での勝負をおすすめします。

小学校高学年のゴールデンエイジを英語学習に費やせる

熾烈な中学受験競争を避けることで、空いた余裕を英語の学習に費やすことができます。

語学学習において、9歳から12歳の時期はゴールデンエイジです。黄金期の小学校高学年の数年間を、ガラパゴスな中学受験の勉強にもっていかれてしまうのは本当にもったいないと思います。

幼少期からの英語学習を継続するにしても、英語学習をスタートするにしても、この時期に触れた良質な英語学習量が、その後の英語習得に向けた大きなカギとなります。

首都圏の中学受験はあまりにも負担が重すぎます。SNSには「せっかく幼少期から英語を学んできたのに、中学受験で中断して、英語ができなくなっていました…」「英語との両立を目指したけど、想像以上に大変すぎて無理でした…」といった声があふれています。ごく一部の両立を達成した武勇伝をのぞいて、私立中学受験勉強と本格的な英語学習の両立は厳しいのが現状です。

高校受験に切り替えるだけで、ゴールデンエイジの時間をたっぷり使って英語学習に費やせます。

戦略的高校受験のプラン例です。5年生から2年間で中学英文法を全て習得して、中学1年生からは高校内容に移行。高校受験は英語を武器にして進学系都立高校や大学附属校へ。大学受験も就職活動も英語が大活躍。語学力を生涯の武器にしていきましょう。中学受験を避けることで、浮いた教育費を海外留学に投入できるのもメリットですね。

東京高校受験主義では、小学校5~6年生は熾烈な中学受験勉強を避けて、英語学習にまわすことを推奨しています。

優秀な小学生は算数ではなく数学の学習が可能

東京高校受験主義は、小学校高学年の間は英語の先取り学習を推奨していますが、余裕と学習意欲が旺盛な優秀な子は中学数学&高校数学の先取りをするプランもあります。

中学受験組は小学校3年生~6年生の莫大な時間を受験算数(旅人算などの特殊算)の習得に費やします。

しかし海外の優秀な子供は、この時期に算数から数学の学習へと移行するのがグローバルスタンダードです。世界のエリート校はどこも、数学を先行して学習します。いつまでも算数に留まっているのは日本だけです。

高校受験に舵を切ることで、グローバルスタンダードに合わせた数学の先取りに時間をまわすことが出来ます。

高校受験を経由して東京大学理科三類に合格した生徒はまさにこのパターン。中学受験しない余裕を活かして、小学校の算数を終えたあとは受験算数をやらずに数学の学習に移行。小学校6年生で高校数学IAまで終わり、中学3年時春までに数学Ⅲの高校過程を終えました。鉄緑会所属の難関中高一貫生よりも早いスピードで終わらせていました。

中学受験をしていたら東大理三には合格していなかったと思う。中学受験をせずに数学を勉強したことが成功の要因」とは本人談です。

むやみやたらと先取り至上主義になるのは良くありません。まずは小学校算数の四則計算割合と比の単元の完全な習得をして、算数の地盤を強固にしてから、数学に移行したほうが良いでしょう。また子供の発達状況によっては、先取りが好ましくないという判断もあり得ます。英語のように先取り学習を強く推奨するものではありません。

しかしそれでも、大学受験(特に理系の難関国立大)を考えた時、普通のペースで数学を学習するだけで中高一貫組よりも速いスピードで高校数学を終わらせられるのは魅力です。

戦略的高校受験においては、理数に秀でた子は、このような大胆な学習プランも可能です。

理社を捨て3科特化で難関高校を目指す戦略がある

東京の高校受験は、3科に絞って難関高校を目指す大胆な戦術も可能です

中学受験で難関校を目指す場合、4科目(国・算・理・社)が必須です。中学受験を経験した家庭ならば、理科や社会の学習負担が大きいことをよく知っています。中学受験の指導者ですら、過重なカリキュラムに対する懸念の声があがっています。

例えば、社会科は膨大な暗記が求められますが、中学からの本格的な学習を始めても問題ないのです。過去の教え子たちの大学受験戦績を見ても、東京大学の文系ですら中学からのスタートで問題なく間に合っています。関西の中学受験で社会科がないのも、ゴールデンエイジの小学校高学年を膨大な知識の暗記に費やさなくても、中学から学習すれば十分だと理解しているからです。

しかし、首都圏の中学受験で理科・社会を捨てると目指せる難関校は目指せません。開成中、麻布中、桜蔭中、筑駒中、慶應中等部、早稲田中など、すべてが理科・社会が必須です。中学受験で理科・社会をあきらめることは、難関校をあきらめることと同じです。

高校受験には5科目と3科目の世界があります。早稲田や慶應の附属校、MARCH附属校中心とする私立高校の多くが3科目入試です。理科・社会を受験科目から外しても、難関校の切符を手にすることができます

大学附属校は言い方は悪いですが「入ったもん勝ち」です。英語と数学を中心とした受験勉強で入学したとしても、理科・社会は入学後の勉強でなんとかなります。

理社の負担が重すぎて全科目的に伸び悩んでいた子が、3科に特化して復活します。首都圏の高校受験はこの戦略ができるのが強みです。

東京高校受験主義は、中学2年生までは5科目をしっかり学び、中学3年生以降に必要に応じて3科目に絞る受験戦略を提案しています。

成長曲線が遅めの子、早生まれの子が不利にならない

晩熟型の成長曲線を描く子や早生まれは高校受験の方が有利な傾向にあります。

中学受験は早熟の子に向いています。逆に晩熟型や早生まれの子には早い段階の選抜は不利に働きます。

関西最難関の灘中学校は早生まれの子の合格率が低いというデータがあります。2002年から2005年までの累計で、4月~6月生まれは197人が合格、1月~3月生まれは76人が合格。出生数はほぼ同じです。中学受験は選抜時期が早すぎるため、10月生まれ以降は難関校の合格率が下がり、1月生まれ以降は極端に不利になります。

ところが、選抜時期を遅らせるだけでその差は縮まります。山口慎太郎さん(東大教授)によると、生まれ月による算数・数学の得点差は、小6時点は大きなものだったのが、中3時点になるとだいぶ縮まるそうです。

有名私立中高一貫校の先生のお子さんや、大学教授などの社会的地位の高いご家庭のお子さんも「早熟型ではないから」という理由で東京でも高校受験を選択しています。賢明な家庭ほど、安易に中学受験に走るのではなく、子供の適性に合った受験機会を選択してあげています。

子供の成長曲線を見抜いて「今ではない」と判断ができる家庭こそ、真に賢い家庭です。

成長曲線を無視して勉強を強いると、勉強嫌いになってしまったり、劣等感につながったりする恐れがあります。子供の成長曲線をしっかりと見てあげて、適切な受験機会を設けてあげたいものです。

小学生の頃は本能のまま動く野生児だった子が、中学入学以降に幼さが消え、精神面でも身体面でも大きく成長して、難関高校受験に挑んでいく過程を何度も目撃しています。「小学生の頃は野生児だったよね?」とたずねると「小学生の頃の自分は自分じゃなかった」と答えますね(笑)

 

学習面の伴走が不要で共働きにとてもやさしい

中学受験では、親の学習面のサポートが不可欠です。プリントの整理、日常の暗記、宿題のチェック、学習スケジュールの作成、苦手な科目の補強、過去問題の進捗管理など、すべて親が担当します。ただし、自走できる非常に優秀な生徒は例外です。

この長期間にわたるサポートが続くため、SNSで中学受験疲れの親の嘆きが散見されます。現行の大手塾のサポート主体の中学受験システムは、専業主婦が多かった時代の名残で、共働きが一般的な現代社会では厳しすぎる受験システムです。

対照的に高校受験では、基本的に親が学習面で密着したサポートをする必要はありません。

考えてみてください。中学生になった子供が、親が常に横で学習をサポートすることは、どれほど面倒くさいでしょうか。高校受験では、生徒の自走力(自発的に勉強する能力)に応じて、自律型の受験をするか、親の代わりに学習サポートを提供する伴走型の塾に通うかを選択します。

自走力が高い子供は、Z会進学教室やSAPIX中学部などの自律型進学塾で学力を伸ばすことができますし、都立高校でしたら塾を利用しなくても合格可能です。

一方、自走力が低い子供には、学習面でしっかりとサポートを提供する塾がおすすめです。例えば、武蔵野市のある個人塾は、定期テストの1ヶ月前から毎日塾で勉強をし、学習習慣や勉強方法を身につけることをアピールしています。学校の課題や小テストまでサポートしてくれます。親が学習面でサポートしなくても、塾が日常の自習も面倒を見てくれ、都立西高や立川高などの自校作成校や武蔵野北などの進学系都立高に確実に合格を出しています。自走力が低い生徒にはこのような地域密着型で面倒見の良い高校受験塾が最適です。

高校受験における親の役割は、次の3点です。

  1. 子供の健康管理
  2. 前向きな声掛けと激励
  3. 高校の情報収集と選択のサポート

学習面での伴走が困難であったり、親自身がストレスを感じやすい場合、学習面で基本的に伴走が不要な高校受験がおすすめです。親が適切な役割を果たすことで、子供は自己管理力を身につけ、自立心を養うことができます。そして、高校受験を通じて、自分自身の力で目標を達成する喜びと自信を手に入れることができるでしょう。

 

東京の公立中学校の質の高さは日本一

 

東京の公立中学校は日本一です。もしも公立中学校にネガティブなイメージを持っているなら、大丈夫ですよ。東京都内中の公立中学校を学校見学している私が保証します。中学受験率の高い都心部にいたっては、私立中学をはるかに超えたスーパー区立中学校がたくさんあります。

公立中学校に「荒れ」のイメージを持っていたらそれは昔の話。都内の公立中はどこも落ち着いて普通の中学校になっています。2000年代以降に都心回帰で新築マンションがバンバン建ち、中古マンションも含めて東京の住宅価格は高止まりです。今の親世代は所得が高くないと東京に住めなくなってきています。海外や地方の教育熱心な層も東京に流入するため、都内の公立中学校は皆さんが思っている以上にハイレベルで落ち着いています。

東京のICT環境は異次元です。どの中学校を見学しても、タブレット端末や電子黒板を利用した近未来型の授業がおこなわれています。保護者世代が想像するような公立中学校の授業はもうありません。

私は2022年に8校の区立中学校を見学しましたが、5教科の授業でのICT使用率は体感で8割を超えていました。生徒たちは手慣れた様子でプレゼンテーションの準備をしたり、レポートを作成しています。今やICT普及率は私立中学校よりも東京の公立中学校のほうが高くなっています。

東京の公立中学校は多くの中学校で少人数制や習熟度別授業を採用しています。他県では習熟度別授業の実施に及び腰ですが、東京は「東京方式」と呼ばれるルールに基づいてガンガン推し進めています。かつて皆さんが望んでいた「公立中でも手厚い教育が受けられたらいいのに」という願望が東京の公立中学校では実現しつつあります。

海外派遣事業の充実も異次元です。例えば、大田区ではアメリカやドイツに区立中学校2年生56名を12日間無償で海外留学できる枠があります。江東区では45名が13日間のカナダ留学制度が、練馬区には68名がオーストラリアに8日間の海外留学制度があります。ほかの多くの都内市区町村のにも同様の公費での留学制度が用意されています。私立中学の場合は有償で数十万から数百万掛かるのが当たり前。教育予算が潤沢な東京の公立中学校の特権です。

東京の公立中学校は新校舎も続々と完成しています。例えば、北区では12校の区立中学校の全校を建て替えもしくはリノベーション。日本でも随一のおしゃれな校舎に生まれ変わっています。また、一見すると普通の校舎であっても、教室の中には電子黒板などのICT環境や少人数教室がしっかりと整備され、令和の時代にふさわしい教育環境に変わっています。

その結果、令和3年度の全国学力・学習状況調査で、東京の公立中学生の学力は47都道府県中の4位でした。平成19年の30位から爆上げです。東京の公立中学校は、学力上位層が抜けてレベルが低いと一部の中学受験メディアが煽っていますが、実際はそれどころか、日本で最も公立中学校の学力の高い地域です。

もう一度言います。東京の公立中学校は日本一です。通学に時間がかからず睡眠時間や余暇も確保できますし、なによりも給食があるので保護者にとって最高にやさしい!オマケに、都内の市区町村では給食費すら続々と無償化が進んでいます。

最高に恵まれた公教育環境を捨ててまで、東京で重課金コースの私立中学受験を選択しますか?

 給食があるから毎日の弁当作りから解放される

高校受験はとにかく共働きにやさしいシステムです。学習の伴走から解放されるだけでなく、毎日の弁当作りからも解放されます。東京の公立中学校には全校で給食が導入されています。

当たり前だと思わないでくださいね。例えば横浜市には給食がありません。給食の導入はかなりお金が掛かるので、導入や維持だけでも大変なのです。事実、都内で給食がある私立中学は4校しかありません。

保護者に聞いた「高校受験を選んでよかったと思う瞬間」の上位に必ずランクインする給食システム。3年間毎朝、弁当作りに追われる日々を想像してみてください。これだけでも、高校受験コースに価値があるといえます。

おまけに、財政的に豊かな東京都では、続々と給食費の無償化が進んでいます。年間約4万円の負担減は大きいですよね。

一般家庭や共働き家庭は、財政に恵まれた東京の公教育コースの恩恵を最大限に享受するべきです。日本一恵まれた東京の高校受験コースを放棄してまで、消耗戦と化した中学受験コースを選択する必要はありません。

実力養成型の塾に通えば高校受験コースでも東大を狙える学力がつく

高校受験コースから東京大や国公立医学部医学科を志すなら、高校受験時に実力養成型の塾に通えば、難関中高一貫組と比べても負けない学力をつけることができます。

高校受験ルートで最も東京大学に合格が出ている都立日比谷高校は、Z会進学教室、早稲田アカデミー、SAPIX中学部、臨海セミナーESC、ena最高水準といった実力養成型の塾の出身者が大半です。

このタイプの塾に通うと、高校受験向けの塾ながら、難関私立高入試に対応するために高校範囲にまで踏み込んだ学習をします。英語は分詞構文や知覚動詞、倒置といった高校内容まで終えます。しっかりと定着した状態で高校へ進学するので、中高一貫組よりも英語が得意になります。

難関高校入試の数学は、実質数学Aの図形分野まで踏み込み学習します。国語については、難関高校入試と大学入試の大差はなく、クラスによっては東京大学の問題を扱うこともあります。

実力養成型の塾で鍛えられた高校受験組は、英語や国語の貯金を活かしつつ、遅れ気味である理科を早いうちから意識して固めていけば、きちんと東京大理系や国公立医学部医学科に到達しています。

実力養成型の塾に通えばという前提はつけますが、一般に「中学受験組が有利」と言われる東京大学であっても到達する仕組みが東京の高校受験にはありますから安心してください。

 経済的な負担が中学受験よりもずっと小さい

高校受験コースは中学受験コースよりも経済的負担はずっと小さくなります。

まずは学費。文科省の学習費調査によれば私立中学3年間で掛かるは学校教育費は平均320万。私大附属は特に高い傾向にあって、初年度納入金だけで早稲田高等学院が141万、慶應中等部が140万、立教池袋が130万でした。都の調査によると初年度納入金も値上げが続いています。

対して公立中学3年間で掛かる学校教育費は平均40万でした。高校進学後は、東京都生活文化局発表の数値で都内私立高校の3年間の納入金額は約220万。都立高校の3年間の納入金額は約60万です(年収910万円以上の世帯の事例)。ただし、高校は世帯年収が低いと授業料が一定額補助されるので、「高校から私立高校へ入る」という選択は中学段階よりもしやすくなります。

東京の中高一貫校はにダブルスクール文化があります。有名私立中学は入学と同時に、鉄緑会、SEG、グノーブルといった中高一貫生専門塾に通います。当初は通うつもりがなくても「周りのみんなが通っているから」と通うことになるケースが多いようです。

週刊現代の1300人アンケートによると、都内の私立中高一貫校の平均世帯年収は、駒場東邦中1333万、海城中1628万、桜蔭中1736万、女子学院中1390万など。中高一貫専門塾や家庭教師の利用が当たり前なのが東京の私立中高一貫校。相応の世帯年収がなければ厳しい環境です。

東京高校受験主義では、目安として世帯年収1200万円未満の家庭は、無理をせずにコストパフォーマンス抜群の東京の戦略的高校受験を推奨しています。

世帯年収はあくまでも目安です。実際には住宅ローンの返済比率や、ローン残高、老後の資金の目途、海外留学を希望した場合の費用捻出、大学進学後の学費の備えの状況によります。さまざまな声を総括すると、世帯年収1200万あれば中学受験は可能なもののかなりカツカツ。世帯年収1500万はないとキツいというのが実情なようです。

 

 塾に依存せずに自律型の学習が身に付きやすい

高校受験の良さは、中学校での普段の学習の延長線上に受験があることです。

私立中学受験は、その学習内容があまりにもガラパゴス化しているために、小学校の学習内容と著しくかけ離れていて、塾への依存度が高くなります。

小学校3年生から塾中心の学習に浸かると、塾なしでは学習ができない体質になり、私立中高一貫校に入学以後も鉄緑会、SEG、グノーブル、個別指導塾などに通い続けることになります。これが東京特有の私立生のダブルスクール文化です。少なくとも9年間~10年間の通塾で、塾なしでは学習できない、極端に依存型の学習体質となり、経済的な負担も相当なものになります。

高校受験は、一部の私立最難関高校を除けば通塾すら必須ではありません。小学校時代に学習習慣さえ身に付けておけば、中学以降はZ会講座、進研ゼミ、スマイルゼミといった安価な家庭学習教材との併用程度で、十分に対応できます。通塾するにしても、中学3年生から入塾して進学系都立高校に合格する生徒もたくさんいます。

中学校での普段の学習がそのまま高校受験につながるので、子どもたちにとってストレスがありません。

高校進学後はどうでしょうか。進学系都立高校は保護者の頃とは想像もつかないほど大学受験サポートが充実し、通塾率は大きく下がっています。

都立青山高校は高2の12月時点で80%が塾なしです。高3の12月時点ですら30%が塾に通わず大学受験にチャレンジしています。

中堅校はどうでしょうか。法政大の現役進学数が日本一になった都立豊島高校は、高3で64%が塾なしです。受験学年でも36%の生徒しか塾に通っていません。

通塾率が下がるのも無理はありません。都立青山高校では土曜日や長期休業中に予備校と見間違えるほどの充実した補習・講習が組まれています。「東大二次試験対策」から「慶應小論文対策」といった志望大学のニーズ別の講座が約100講座。夜8時まで自習室が開かれ、部活動終了後は学校で残って学習が当然の雰囲気です。

都立豊島高校では、2泊3日の勉強合宿、進路別の受験ガイダンス、GW講習、夏期講習、冬期講習、春期講習の講習4本立てはすべて無料。さらに本気で難関大を目指す特別部活動の進路探求部まで。

ほとんどの保護者は「本当に都立高校?」と驚かれます。令和の東京都立高校は日本最強のコスパルートです。

中学受験コースを取らなかったことで自律型の学習姿勢が身に付いた中学生は、大学受験サポートの充実した都立高校でも、学校中心の学習を継続します。

高校受験コースで獲得した塾に依存しない自律型の学習習慣は大きな財産となるはずです。

もちろん、塾に課金をし続ける重課金コースも、それはそれで一つの教育の手法。お金に余裕があるなら、それもありかもしれません。

普通の家庭は自律学習が身に付く東京の高校受験コースが良いですよ。塾代や学費が浮けば、海外留学や大学の学費に回せるお金を作ることができそうですね。

都立高校では2023年度から、塾や予備校と提携した「校内予備校」の開設を進めています。都立高校の学校完結型のシステムはますます充実してきています。塾講師としては「塾なし」の環境が整うのは少々複雑な思いですが…(笑)、社会としてはこれが正しいと思います。日本一のコスパルートを取れるのは東京都民だけの特権ですね。

 

共学校の選択肢が多い

高校受験生は小・中を共学校で過ごしているので、自然と共学を志向するようになります。

世界の潮流も同じ。イギリスの名門パブリック・スクールは2022年ですべて共学化しました。

東京の中学受験は意外にも共学の選択肢が多くありません。東京で東大に10人以上出す私立共学校は渋谷教育学園渋谷中の1校のみです。筑波大附属や学芸大附属系は中・高が分かれているので選びにくい学校で、共学校が思ったよりありません。

高校受験では、東大に10人以上出す共学校という選択肢が日比谷高、西高、国立高、戸山高、筑波大附属高、学芸大附属高と増えて、それ以外も大半が共学校です。

ICU高校、中央大杉並高校、早稲田本庄高校のような高校からしかない魅力ある私立高校もありますし、市川高校、栄東高校、開智高校、渋谷幕張高校、広尾高校などは高校からでも入学できます。

男女共学を志向するなら高校受験がおすすめです。

 通学可能圏がぐっと広がり選択肢が増える

東京の通勤ラッシュは地獄です。体の小さな中学生が毎日押しつぶされながら通学する様子を見ると、なるべく近場の学校に行かせたいと思うのが親心でしょう。

ところが、中学受験では通学圏を狭めると、選択肢が一気に減ってしまいます。地域によってはほぼ選択肢が残らなくなり、長時間通学せざるを得ません。

SNSには、中学受験をしたものの、子どもが毎日の通学の過酷さでグッタリしているという投稿がいくつか見られます。早熟で体が大きめの子ならまだしも、体力のない子、成長期前の小柄な子には辛いですよね。

地元の公立中学校の「近さ」は見逃されがちなメリットです。

成長期の中学生は人生で最も睡眠時間が大切な時期。ギリギリまで眠っていられる、東京の通勤ラッシュとは無縁の学校生活を送ることができるのは高校受験コースの特権です。部活動の練習も、近いだけで助かりますよね。

15歳になるころには、たくましい体に変化して、ある程度の長時間の通学に耐えられるようになります。12歳では選べなかった少し遠方の高校であっても、本人の意志さえあれば通えるようになります。

12歳から15歳になると「通学圏」が広がり、中学受験では選べなかった地域の学校も選べるようになりますよ。

 高専という高等学校以外の「第二の選択肢」がある

理数系に興味のある子は、高校受験から「高等専門学校」(高専)という5年一貫の高等教育機関を目指す「第二の選択肢」があります。

高専は都内には3校あります。八王子市の国立東京高専は1年次に全員共通のカリキュラムを履修したうえで、2年次以降に機械工学科、電子工学科、情報工学科などの専門課程に突入します。約4割が他大学の3年次へ編入し、それ以外の生徒は専門知識を生かして就職します。

近年は高専生の高い専門性が注目され、就職の求人倍率は極めて高い状況ですまた大学に編入するにしても、全国の国公立大学に編入実績があります。

理数系に興味がある学力中位層は、専門性の獲得や大学編入を見越した高専という選択肢があることも、高校受験の大きな魅力です。

 

 15歳だからできる「寮生活」という選択肢がある

12歳の中学受験でも寮生活を選択する子はいますが非常に少数。6年間という思春期のすべてを親子が離れて生活するのは、大半の保護者、子ども共に躊躇しますし、金銭的な負担も重くなります。

ところが、15歳になった瞬間、状況は一変します。成人まで残された期間は3年間に短縮され、最後の3年間だけ、まったく違った環境に身を置いてチャレンジしたいという子が増えます。保護者としても、3年間なら寮生活もありなんじゃないかと思考が変化します。

寮生活という大胆な選択が決断しやすくなるのは、15歳という半分大人の境界で高校受験を迎えるからこその特権です。

教え子に都立大島海洋国際高校へ進学した生徒がいます。東京で唯一、水産・海洋分野を学ぶことができる高校です。離島の大島で寮生活を送りながら、海洋探求、船舶運航、海洋生物、海洋産業の4類型を学びます。

早稲田佐賀高校へ進学した生徒もいました。当初はMARCH附属を志望していましたが、本人の強い意志で入学を決意。正直、寮費を含めると費用は高額なのですが「3年間で本人が希望するなら」との保護者のバックアップで進学が実現しました。その後早稲田大学へ進学しています。

過去には鹿児島の名門ラ・サール高校に進学した子、東北地方の野球部強豪校に推薦入学した子、島留学で島根の隠岐諸島の高校へ進学した子もいました。

いずれも中学受験していたら100%、寮生活という選択肢を選んではいなかった子達。15歳という自立への入り口に立った高校受験だからこそ、自らの意志で「寮生活」を選択しました。

高校受験ならではの進路の多様さですね。

 日本最強の長期留学制度「次世代リーダー育成道場」がある

東京の高校受験には「次世代リーダー育成道場」という公的な留学システムがあります。

都立高校生限定の留学制度で、アメリカかオセアニアに1年間、200人もの生徒が毎年留学に行きます。金額はなんと80万円。破格の金額で長期留学できることから、日本最強の留学制度と言われています。

私立高校から同じような留学プログラムを利用した場合、円安のため2022年現在で560万円。1年間で1.5倍に膨れ上がりました。〈参考:円安で海外留学の学費など値上がり相次ぐ NHK

このプログラムは、都立生であればすべての高校からチャレンジができます。英語力も大切ですが、熱意や目的意識の高さも選考基準。倍率は1.5倍~2.0倍前後のようで、そこまでハードルが高いものではありません。

海外留学に500万円をポーンと出せるご家庭なら、私立中学受験ルートでも大丈夫。

普通の家庭は、高校受験ルートから、東京都の税金の恩恵をマックスで受けられる「次世代リーダー育成道場」を活用することをおすすめします。

2023年度からは、新たに都立生200人を約一週間の短期海外派遣に無償で送り出す事業もスタートしています。世界トップクラスのSTEAM教育を体験するプログラム、世界最先端のトレーニング施設訪問や現地の高校生とスポーツ交流する運動部活動プログラムを予定しています。

日比谷高校の西海岸シリコンバレー&ハワイ島海外研修、西高校のアメリカ研修、小山台高校の語学研修プログラムなど、都立高校は独自の留学制度や海外研修事業も異次元の充実ぶりです。

都立高校の海外派遣事業の充実ぶりを知っているご家庭は、高校受験を選択していますね。公的な海外留学システムが日本一充実している東京都で、あえて外れてしまう中学受験を選ぶのはもったいないと思います。

 

 小学校高学年のゴールデンエイジに多様な経験を積める

10歳から12歳は子育てで最も大切なゴールデンエイジと言われています。

文科省が2001年生まれの子供数万人を20年間追跡した初の大規模調査で、小学校高学年の自然体験や文化的体験が、自尊感情、精神的回復力、我慢強さなどの「生きるための偏差値」を上昇させると判明しました。

調査報告によると、小学校低学年の経験の有無よりも、10歳から12歳の頃の自然体験(登山、キャンプ、スキー、海水浴など)や文化的体験(動物園、美術館、演劇、スポーツ観戦)がその後の人生を左右するようです。

学力が高くても精神的に病んでしまったり、自尊感情の低さで自信が持てなかったり、コミュニケーション能力の課題が浮き彫りになったり…大人になってこれらのスキルの大切さに気付きますよね。 小学校高学年のスペシャルな時期に、たっぷりの体験活動をおこなうことで、これらの非認知能力が向上するのです。

戦略的高校受験では、小学校高学年を英語の先取りと共に、何か一つでいいから熱中できる習い事や体験活動に打ち込むことを重視しています。

例えば、サッカーを習っていたら、途中で辞めることなく、責任あるポジションを任される小学6年生の最後まで継続することで、初めて人生の一つの財産としての体験になります。

サッカー、野球、水泳、体操、ダンス、ピアノ、プログラミング、バレエ、そろばん、ロボット教室、ボーイスカウト、絵画教室……どんな習い事でも、12歳までやりきることが大切です。

東京の中学受験に参戦すると、財産になるはずの体験活動を中途半端な時期に辞めざるを得なくなります。長期の家族旅行も、この時期を逃すと二度と付いてきてくれない可能性があるのに、講習で埋まりで難しくなります。

ゴールデンエイジの小学校高学年をペーパーテストの受験勉強一色で良いのでしょうか。

この時期を受験勉強一色で過ごすのは、東京の中学受験組とシンガポールだけ。世界で最もガラパゴスな教育です。昔の中学受験はもっと牧歌的でしたし、地方は今でも小6からの受験勉強でも間に合います。東京の中学受験の拘束時間の長さは異常です。

東京高校受験主義では、あくまでも教育の視点はグローバルスタンダード。英語学習、自律型を目指した基礎学力の徹底、そして何か一つでいいから体験活動や習い事に熱中することを推奨します。

 

東京高校受験の広場に参加しませんか?

東京の高校受験組の保護者が集まるLINEのオープンチャットを開設しています。2023年現在、500名を超える中学受験予定のない小中学生の子供をお持ちの保護者が集まり情報交換をしています。主要大手塾別のチャットもあります。参加希望の方は、Twitterのアカウント経由にDMをするか、下記のメールアドレスにご連絡ください。tokyokokojukenあっとgmail.com

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です